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my style.

もうそろそろLES LESTONにお願いしているシャツが上がってくる頃です。
詳細は入荷後に[CLOTHING]の方で書きますね。
近頃は視力が落ちたせいか、レンジファインダーでバチっとピントを合わせたつもりでも全く狙ったところにピントが合わない。
その対策として、ダサくて全く使っていなかった電子ビューファインダーを取り付けてますが
何故かしっくりきてる。ピント合わせは楽だし、何より見た目のドレスダウン感が気に入ってる。
今気分なカラーリングのクライミングロープで自作したストラップも、ピスタチオカラーのトリヨンに交換した張り革も、やすりで削って無理やり見せた真鍮の地金も、
"ある意味センスの悪い" = "こなれ感"として、マイスタイルのおもちゃになってる。
これが正解かどうかは知りませんが、
洋服も時計もカメラも車も、質が上がればラグジュアリーとして気障な一面を覗かせる事になりますが、
それをどのような方法でセンスに変換するのかが重要で、それが昨今の風潮ではカラーリングに起因している要素が強いのかなって気がしています。
とはいえ、バランス感は大事ですし、色の少ないシンプルで上質なスタイルにも惹かれますが。
と、とりあえず近況報告でした。シャツお楽しみに。
transcendence

決して芸術活動をしている気はありませんが、アートスピリット(芸術の精神)は哲学のようにあらゆるものに通ずる。
クリエイティブな思考の持ち主にとってこの原理は重要な根幹をなす。
あれかこれかと分断するのではなく、あれもこれもとあらゆるものを偏見なく同等に扱い
取り込んでゆく姿勢にこそ、新たな価値を生む可能性が秘められている。
ここまでは、編集人にとっては至極当たり前の事。
続いて、トランセンデンス(超越)によってあらゆる要素が結合される事を創造と呼ぶのであれば、
この超越の度合いがクオリティや格の違い、即ち"本物"になるかどうかの采配を振るうことになる。
芸術の本質が専門知識ではないとしても"超越"に起因する一つの役割を担っている事は確か。
知識と経験値、それらによる潜在意識が生み出す直感、全てが最終地点に現れる。
なーんて、いかにも頭の良さそうなフリして難しそうに考えたりして。
考えることは人間の特権。
Richter

今、東京近代美術館でリヒターの展示、現代美術館の方でプルーヴェの展示が行われています。
出張のタイミングでどちらも見てきました。10月くらいまであってるみたいですよ。
やはり直に見ると情報量が全く違いますね。感じるインスピレーションの濃さも。
画面越しや紙媒体では決して伝わらないマチエール、その場の空気、肌感、嗅覚。
目だけではなく体全体で感じる事こそが経験値として身になるという事を再認識できました。
今やどちらもそれぞれのジャンルで大人気ですし、今更ここで内容について何か語ろうなんて思いませんが、
前情報抜きにして見てもやはり"本物"だと感じさせる説得力がある。
メジャーだとかマイナーだとか、マスとかコアとか、そういう事はもうね。
オリジナル、リプロ、そんな事もさ。ね。
僕らがカッコいいと思い惹かれるもの、そして追いかけるのはいつだって"本物"。
inspiration

あ、なんかドリスっぽい。
先日伺った、とあるリゾートホテルで天井の一角をパシャリ。
"視覚的な説得力は論理を圧倒して雄弁である。"
好きな作家の本からの引用です。
知ろうとする素人、私は今日も成長の途中。
No need to categorize.

僕らの仕事は"編集"という作業が要。
この"編集"という作業は、単に色や形のコーディネートとか見た目のバランス、素材の組み合わせといったモノとは少し違う。
モノの歴史や背景とか何年代のディテールとか、ヴィンテージ系に見られる情報の類とも違う。
違うと言うより、それだけでは無いと言った方が正しい。
対象の物を深く知るという事は当たり前ですが、もっと人間的で根本的なエレメントについて
より深く知る事でそのモノが持っている"空気感"を感じるようになってくる。
その空気感の中で起こる調和やコントラストによってモノの魅力が掛け算方式で最大限に引き出されたり、新しい価値観が生まれたりする。
とても抽象的ですが、分かる人には頷ける話です。
この話にカテゴリーは存在しません。
振り幅があればある程コントラストは強大。その大小のコントロールも編集の範疇です。
編集というものは業界側の話のようで実は皆がやっている事。
自分が直感で良いと思ったものを購入し、自分の持ち物と組み合わせる。
そこに疑問と追及が加わればなお良い。
「なぜ、自分はこれが良いと思ったのだろう」と深掘りしてゆく事は自分自身を知ることにも繋がる。
流行やカテゴライズ、既に誰かが作った価値観や情報に惑わされず、自分の感性に委ねて物を選ぶ。
経験が重なり、そこにこそ個性が生まれる。。。のでは。
と考えながらゴロゴロする近頃。
最近、"空気感"というワードから辿り着いたこの本は建築家であるペーター・ツムトアの「アトモスフィア(空気感)」 。
建築家ならではの思慮深い考察で空気感・雰囲気は何からきているのかという問いに解を見出します。
素晴らしく美しい本でした。