COLUMN

2021-01-18 17:06:00
KOTO BOLOFO

エルメス社外秘の工房に無制限に立ち入ることを許可された世界初のフォトグラファー " KOTO BOLOFO "。

2002年当時のエルメスのトップ、ジャン・ルイ・デュマ氏とコト・ボロフォ氏の出会いから全ては始まった。
デュマ氏の高祖父とボロフォ氏の出生地である南アフリカ・レソトに関係する意外な繋がりとストーリーに
意気投合した2人は交流を深め、この宝物のような写真集は生まれた。

ケリーバッグ、パフューム、服や靴、シルクに車、アーカイブルームまで、
あらゆる部署ごとにまとめられた仕事風景や職人とモノたち。
ため息が出るほど美しいドキュメンタリー写真集です。
内容もそうですが写真家の作品として写真自体が美しく、相乗効果でより魅力的に映ります。
機会があれば目を通してみてください。


少し話は変わりますが、
今までエルメスに関する書籍や取材記事などたくさん目を通してきました。
現在、DeSotoのプライベートプロダクトの一部として革の製品を手掛けていますが、
ヨーロッパの伝統技術で革製品を手掛けていく上で、このエルメスというワードは絶対に外せない。

世界のトップメゾンとしての技術的な要素やクオリティの物差しとしては勿論ですが、
"伝統"や"歴史"、さらにはその伝統や歴史の一部を担う職人の"誇り"というモノがどういう形で製品にあらわれているのか。
そもそも、なぜエルメスは特別なのか。


何かの取材記事でエルメスの職人に
エルメスの工房は他と何か違うのでしょうか?という問いがあって、

「技術の内容的な事は同じようなものだと思います。違いがあるとすれば妥協しないという事。
同じ技でもその精度を追求するという姿勢。」

とありました。

もちろん基礎的に高い次元での技術と理論・知識を持ち合わせている上での話ですが、
魔法のような特別な事など無いのです。
地味で果てしない手間の掛かる無数の工程の中で、その一つ一つの技術を妥協する事なく、
そして常にもっと綺麗に、もっと美しく、と技を追求し続けていくスピリットこそが特別なモノであり、それは180年以上の歴史の中で培われ、そして確実に継承されてきたもの。
さらにその継承は現在進行形で、故にプロダクトのトップに君臨し続けている。

ネット社会、AI技術、さまざまな分野でのオートメーション化が加速し、機械化・未来化が進む現代においても
トップにあり続けるモノづくり集団の会社が大切にしているモノはすごくアナログで、形の見えない抽象的な事だったりする。


最終的に人の心を動かしたり、惹きつけたりするのはそういう類のモノなのかもしれない。と淡い夢のような事を僕は信じている。


DeSotoのプロダクトではそういった事に重きを置いて制作しているつもりです。
きっと心を動かす何かを含んでいると信じているし、単純な物の価値としても特別なモノを生み出せていると思っています。

先日のロシアンレザーを使用したバッグは即完売しましたが、また何か熱が高まるような物を制作していきます。
楽しみにして頂ければ。

それではこの辺で。